野球雑学

ライトで8番だから通称「ライパチ」

「ライパチ」は野球が下手な代名詞だった

筆者が小学生の時分(30年以上前)は、間違いなく野球が下手な子の起用場所でした。
所謂、ライトポジションで打順は8番目というものを、略して「ライパチ」と言う。

小学生の頃は、右利き者が多いこともあり、且つ専ら利き手方向への打球が多いことからも、あまりライト(右翼守備)には打球が飛びませんでした。

なので、野球が苦手だったり、下手だったりする子を負担減の考慮も含め、ライトポジションへ配置することが多かったです。

打順が8番というのも、できるだけ回る回数を減らす為に、後の打順に配置されていました。9番が最後なのに何故8番?と思われる方、そうなんですよね。
今もそうですがプロ野球(セリーグ)では、投手が打席に立ちます。
投手は投げる方に専念したい(させたい)為、
1試合を通して打つ回数を少なくしたいので、専ら9番に定着しています。

小学生や中学生が、理由も分からずに9番は投手だと思っていたのでしょう。
だから、プロの真似事で9番は投手が配置されるものと。
昔の野球アニメでも似たような場面があるのは、この事からだと思います。

「ライパチ」の名残は、中学・高校でも引きずる傾向にあった

小学生時代がその様な傾向にあるので、中学・高校でもその様な傾向は若干だが残されていた。より具体的には、戦略的なバッティングが導入されるに従い、ライトポジションへの軽視は無くなることとなります。

小学生や中学生の野球としては、各選手がcase by caseで、
逆方向への進塁打や長打を狙えるほど、技術レベルや野球知識が無かったとも言えます。

当時のリトルリーグやシニアリーグは当然の様に対応していたとも思いますが、
少年野球や学校のクラブレベルでは、その様な指導は、ほとんど浸透していませんでした。
指導者も、そこまで野球に長けた人が多くなかったのだと思います。

「ライパチ」というその偏見を一新したのは「イチロー」

颯爽と現れた日本球界のヒーローが、それまでの「ライパチ」の概念を変えてしまう。
そうである「イチロー」が登場してからというもの、ライトポジションに佇む姿が格好良く、打てば安打と本塁打、投げればレーザービーム、取れない打球を取ってしまう快足と捕球のうまさ。何をしても絵になる選手が出てきたのだ。

そのイチローが、あの下手の代名詞である「ライト」にポジションを取り、ヒーローな活躍をするものだから、小学生はライトポジションのイメージが一新されたに違いない。
その頃から、ライトポジションを馬鹿にする者が、ほとんどいなくなったのは、言うまでもない。

「ライパチ」のパチ(8番)は、未だにイメージ力弱し

ライトのイメージは払拭されたが、打順としての8番はそこまでには至っておりません。
少年野球~プロ野球において、7番、8番は打力が弱い選手が座ることが多いです。

余談ですが、昨今のメジャーリーグでは2番打者最強説ということで、4番に座る様な打力が強い打者が2番に座ることが戦略的に多くなりました。

1番打者が出塁後、盗塁すれば無死2塁で2番打者ですから長打で1点です。
試合開始後、2人で1点は、相手投手からすると少々重たいですね。

なので、超強力打線を組むことも可能な戦略とも言えそうです。